手続き
火葬許可証・埋葬許可証の手続き|流れと注意点
目次
結論
火葬許可証は、死亡届の提出とあわせて市区町村役場に申請すると交付され、火葬の際に火葬場へ提出します。火葬が終わると、火葬済みの証印が押された書類が返され、これがお墓や納骨堂への納骨(埋葬)の際に必要となります。これらの手続きの多くは葬儀社が代行してくれます。書類は納骨まで大切に保管し、紛失した場合は再発行できることがあります。詳しい取り扱いは市区町村役場の窓口でご確認ください。
火葬や納骨に関わる許可証は、名前が似ていて分かりにくく感じられるかもしれません。ですが、実際の流れはシンプルで、その多くは葬儀社が案内・代行してくれます。ここでは、火葬許可証と埋葬許可証の関係、取得から納骨までの流れ、保管や紛失時の対応までを、落ち着いて確認できるように整理しました。
火葬許可証と埋葬許可証の関係
まず、名前の似た二つの書類の関係を整理しておきましょう。もともと、火葬を行うために必要なのが「火葬許可証」、お墓などに納骨(埋葬)するために必要なのが「埋葬許可証」とされています。ただし、実務上はこの二つが完全に別々の紙として発行されるわけではないことが多く、次のような流れになるのが一般的です。
- 死亡届の提出とあわせて申請すると、火葬許可証が交付される
- 火葬の際に、火葬許可証を火葬場へ提出する
- 火葬が終わると、火葬済みの証印が押された書類が返される
- その証印付きの書類が、納骨(埋葬)の際の許可証として使われる
つまり、多くの場合は「火葬許可証」に火葬済みの証印が押されることで、そのまま納骨に使える書類になる、という運用です。このため、実務では両者をまとめて「火葬(埋葬)許可証」と呼ぶこともあります。名称や様式、運用は自治体によって異なることがあるため、正確な扱いはお住まいの市区町村役場でご確認ください。
取得から納骨までの流れ
火葬・納骨に関わる書類の流れを、全体像とあわせて確認しておきましょう。下のタイムラインは、死後に必要となる主な手続きを期限の近い順にまとめたものです。火葬許可の申請は「7日以内」のグループに含まれ、死亡届と同時に進むのが一般的です。
はじめの数日で進む手続き
時期の目安順に並べています。ご状況により前後することがあります。
7日以内
死亡届の提出
期限の目安:7日以内
窓口:市区町村役場
火葬許可の申請
期限の目安:7日以内
窓口:市区町村役場
※ 一般的な目安です。故人の状況により必要な手続きは異なります。 相続・税務など判断に迷う項目は、各窓口や専門家にご相談ください。
火葬許可証にまつわる流れを、順を追って整理すると次のようになります。
このように、火葬許可証は「申請 → 火葬場へ提出 → 火葬後に受け取り → 納骨で使用」という一連の流れの中で使われます。1から4までの多くは葬儀社が段取りしてくれるため、遺族が個別に役場や火葬場と細かくやり取りしなくても済むことがほとんどです。5の納骨は、後日ご家族の都合に合わせて行うことが多い部分です。
申請にあたって必要なもの
火葬許可の申請は、死亡届の提出と一体で行われるのが一般的です。そのため、必要となるものも死亡届と重なる部分が多くなります。
- 死亡届(死亡診断書と一体の用紙):これを提出することが火葬許可申請の前提になります。
- 火葬(埋葬)許可申請書:役場に用意されている用紙で、葬儀社が記入・提出を代行することが多いです。
- 届出人の情報:故人との続柄などを記入します。
窓口によって求められるものが異なることがあるため、事前に確認しておくと安心です。もっとも、この段階の実務は葬儀社が担ってくれることが多いため、遺族は葬儀社の案内にそって必要な情報を伝えれば、手続きが進んでいきます。死亡届そのものの詳しい書き方や提出については、死亡届の出し方でくわしく整理していますので、あわせてご覧ください。
火葬後に受け取る書類の扱い
火葬が終わると、火葬済みの証印が押された書類が返されます。この書類は、その後お墓や納骨堂に納骨する際に必要となる、大切なものです。納骨は火葬の直後に行うとは限らず、四十九日や一周忌などの節目に合わせて後日行うこともよくあります。そのため、火葬から納骨まで期間が空くことも多く、その間、書類をきちんと保管しておくことが大切です。
多くの場合、火葬後の書類は骨壺を納める箱(骨箱)の中に一緒に入れて渡されたり、葬儀社が保管して納骨の際に案内してくれたりします。どこにしまったか分からなくならないよう、他の重要書類とまとめて保管しておくと安心です。納骨の予定がまだ決まっていない場合でも、書類は捨てずに保管しておきましょう。
納骨のときに書類を使う
お墓や納骨堂へ納骨する際には、火葬済みの証印が押された書類を、墓地・霊園の管理者に提出します。これは、その場所に遺骨を納めることが正式に許可されたものであることを示すために必要とされています。公営・民営の霊園やお寺の墓地、納骨堂など、いずれの場合でもこの書類の提出を求められるのが一般的です。
納骨の日程や方法は、菩提寺や霊園の管理者と相談しながら決めていきます。書類のほかに、墓地の使用許可証や印鑑などが必要になることもあるため、納骨の前に管理者へ持ち物を確認しておくと、当日スムーズに進められます。納骨や永代供養など、その後の供養の考え方については納骨と永代供養の考え方でも整理していますので、あわせてご覧ください。
書類を紛失してしまったとき
火葬後の書類を紛失してしまっても、慌てる必要はありません。多くの場合、火葬を行った自治体や、死亡届を提出した市区町村役場などで再発行の手続きができるとされています。再発行には、申請者の本人確認書類や、故人との関係がわかる書類などが必要になることがあります。
ただし、再発行の可否や必要書類、手数料、発行までにかかる時間は自治体によって異なることがあります。とくに、火葬から一定の年数が経過している場合は、保存されている記録に基づいて対応が変わることもあります。紛失に気づいたら、まずは火葬を行った地域の市区町村役場の窓口へ相談してみてください。
あわせて確認しておきたい手続き
火葬や納骨に関わる手続きと同じ時期には、他にもさまざまな手続きが重なります。故人がどのような立場だったかによって必要なものが変わりますので、少しずつ確認していきましょう。
たとえば、故人が世帯主だった場合は世帯主変更の手続きが、年金を受け取っていた場合は年金受給停止の手続きが必要になることがあります。死後の手続き全体の流れをまとめて確認したい場合は、死亡後の手続き一覧をご覧ください。期限の早い順に整理してありますので、今の時期に必要なものだけを取り出して進めていけます。
火葬・納骨に関わる書類のことばかりに気を取られると、他の手続きが後回しになりがちです。とはいえ、そのすべてを同時に進める必要はありません。急ぎのものと、後日ゆっくり進めてよいものを分けて考えると、心の余裕にもつながります。
分骨をする場合の書類
ご家族の希望によっては、遺骨の一部を複数のお墓に分けて納めたり、手元供養として自宅に残したりする「分骨」を行うことがあります。この場合、それぞれの納骨先に提出するための証明書(分骨証明書などと呼ばれるもの)が必要になることがあります。分骨を希望する場合は、火葬の前後で早めに葬儀社や火葬場に相談しておくと、当日に必要な書類を用意してもらいやすくなります。
火葬が済んだあとに分骨を思い立った場合でも、火葬を行った自治体などで証明書を発行してもらえることがあります。分骨は特別なことではなく、家族の事情や供養の考え方に応じて選べるものですので、迷う場合はまず相談してみるとよいでしょう。分骨後のそれぞれの遺骨をどのように供養していくかについては、納骨と永代供養の考え方もあわせてご覧ください。
火葬までの日程と許可証のかかわり
火葬許可証は、死亡届の提出とあわせて交付されますが、火葬そのものの日程は、火葬場の空き状況や地域の慣習によって決まります。地域によっては、火葬が混み合い、数日待つこともあります。また、亡くなってから一定の時間を置いてから火葬を行うという考え方が、法令上の目安として広く知られています。こうした事情から、許可証を受け取ってすぐに火葬、とは限らず、日程に幅が出ることもあります。
火葬場の予約や日程の調整は、葬儀社が段取りしてくれることがほとんどです。ご遺族が火葬場と直接やり取りしなくても、通夜・告別式の日程とあわせて、火葬の枠を確保してもらえます。日程に不安がある場合は、打ち合わせの際に葬儀社へたずねておくと、見通しが立って落ち着いて準備を進められます。日取りについては、地域や施設によって事情が異なりますので、無理に急ぐ必要はありません。
書類は他の重要書類とまとめて保管を
火葬後に受け取る証印付きの書類は、納骨まで使う機会がないため、うっかりしまい込んで所在がわからなくなりがちです。納骨は四十九日や一周忌など、火葬から時間を置いて行うことも多く、その間に他の書類に紛れてしまうこともあります。年金や保険、相続に関わる書類など、故人にまつわる大切な書類は数多くありますので、これらとひとまとめにして、家族の誰もがわかる場所に保管しておくと安心です。
保管の際には、封筒や書類ケースに「火葬・納骨関係」などとひとことメモを添えておくと、いざ納骨のときに迷わずに取り出せます。葬儀社が骨箱の中に入れて渡してくれることも多いため、まずはその所在を確認しておきましょう。書類の扱いに迷う点があれば、葬儀社や市区町村役場の窓口にたずねれば、ていねいに教えてもらえます。
まとめ
火葬許可証は、死亡届とあわせて市区町村役場に申請すると交付され、火葬の際に火葬場へ提出します。火葬が終わると火葬済みの証印が押された書類が返され、これがお墓や納骨堂への納骨(埋葬)の際に必要となります。もともと火葬許可証と埋葬許可証は別のものとされますが、実務では火葬後の証印付き書類が納骨に使われる運用が一般的です。
これらの手続きの多くは葬儀社が代行してくれます。書類は納骨まで大切に保管し、紛失した場合は再発行できることがあります。名称・様式・再発行の扱いは自治体によって異なることがあるため、判断に迷う点は、お住まいの市区町村役場の窓口や葬儀社にご確認ください。
編集方針:この記事は、おわりじたく編集部が墓地埋葬法など公的機関の公開情報に基づいて作成しています。火葬許可証・埋葬許可証の名称・様式・運用は一般的な目安を示すもので、自治体によって扱いが異なることがあります。制度は改正される場合があるため、最新の内容は各窓口でご確認ください。
免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、個別の手続きの可否や要件を判断するものではありません。火葬・埋葬に関わる許可証の様式・再発行の要件は、お住まいの市区町村の最新の案内が優先されます。ご自身の状況に応じた判断は、市区町村役場の窓口や葬儀社にご確認ください。
よくある質問
火葬許可証と埋葬許可証は違うものですか?
もともとは火葬の前に必要な「火葬許可証」と、納骨(埋葬)の際に必要な「埋葬許可証」を指しますが、実務では、火葬後に火葬済みの証印が押された同じ書類が納骨時の許可証として使われることが一般的です。名称や運用は自治体によって異なることがあるため、詳しくは市区町村役場の窓口でご確認ください。
火葬許可証は誰が申請しますか?
死亡届の提出とあわせて申請するのが一般的で、多くの場合は葬儀社が代行してくれます。遺族が個別に動かなくても、死亡届・火葬許可の申請・火葬場との調整までを葬儀社がまとめて案内してくれるケースがよくあります。
火葬後に受け取った書類はいつ使いますか?
火葬が終わると、火葬済みの証印が押された書類が返されます。これはお墓や納骨堂に納骨する際に必要となるため、納骨まで大切に保管してください。紛失した場合は、火葬を行った自治体などで再発行できることがあります。取り扱いは窓口でご確認ください。