葬儀の種類・準備
一日葬とは|通夜を省く形式の特徴と費用
目次
結論
一日葬とは、通夜を省き、告別式と火葬を一日で行う葬儀形式です。読経やお別れの時間は設けたうえで、二日間の儀式を一日にまとめます。20〜30名前後では、葬儀社への費用でおおよそ45〜90万円が目安で、お布施は別途必要です。ご遺族の負担を抑えつつきちんと見送れる形として選ばれますが、菩提寺の考え方など事前に確認しておきたい点もあります。
一日葬とは、これまで二日間かけて行っていた通夜と告別式のうち、通夜を省いて、告別式と火葬を一日で行う葬儀形式です。宗教者による読経やお別れの時間はきちんと設けたうえで、儀式を一日にまとめるのが特徴です。ご高齢のご遺族や遠方から集まる方の負担を和らげたいという思いから、近年選ばれることが増えています。このページでは、一日葬の特徴・費用の目安・メリットと留意点・向いているケースを、順を追って見ていきます。
一日葬とはどんな葬儀か
一日葬とは、通夜を行わず、告別式(葬儀式)と火葬を一日のなかで済ませる形式です。従来の一般葬や家族葬では、一日目の夜に通夜を行い、二日目に告別式・火葬へと進みますが、一日葬ではこの一日目の通夜を省きます。
省くのはあくまで通夜のみで、葬儀としての中心である告別式は行います。宗教者を招く場合は、告別式のなかで読経をいただき、参列者が焼香してお別れをしたうえで、出棺・火葬へと進みます。読経やお別れの時間がなくなるわけではないため、「きちんと見送る」形は保たれます。
参列者は、家族・親族や親しい方など、近親者を中心に限られることが多い形式です。通夜がないぶん、遠方から二日にわたって足を運ぶ必要がなくなり、ご遺族・参列者双方の負担を和らげられる点が、一日葬が選ばれる理由のひとつです。
一日葬の費用の目安
一日葬は、通夜を行わないぶん、家族葬より費用が抑えられる傾向があります。まず、この条件での目安を見てみましょう。次のボックスは、一日葬・会葬30名前後の条件で試算したものです。お布施は葬儀社への費用には含まれないため、別枠で表示しています。
この条件での葬儀費用の目安
- 前提条件
- 一日葬
- 会葬 11〜30名(約20名で試算)
- 全国の目安
葬儀社に支払う費用の目安(お布施を除く)
590,000円〜1,100,000円中央値 850,000円
葬儀社への費用とは別のお金です
お布施の目安(別途)
15〜30万円
お布施は宗教者への謝礼であり定価はありません。地域・寺院との関係により大きく異なります。
※ 料金マスタに基づく概算です。式場・安置日数・搬送距離・地域の慣習などにより 実際の金額は変わります。正確な費用は複数の葬儀社の見積もりでご確認ください。
上のように、20〜30名前後の一日葬では、葬儀社に支払う費用でおおよそ45〜90万円が一般的な目安です。金額の幅は、式場や祭壇のグレード、地域の慣習などによって変わります。ここで示しているのはあくまで目安ですので、正確な金額はご自身の条件で見積もりを取って確認してください。
費用の内訳と、なぜ抑えられるのか
一日葬の費用も、大きく「基本費用」「変動費用(料理・返礼品)」「実費」に分けて考えられます。下の図は、費目ごとの金額の目安を横バーで示したものです。
一日葬の費用内訳の目安
全国の目安(お布施は含みません)
- 基本料金(式一式)450,000円〜900,000円
上記+式場・祭壇・告別式運営
- 料理・返礼品(約20名分)140,000円〜200,000円
会葬人数に応じて増減する変動費です。
※ 概算です。実費(火葬料・式場使用料など)は自治体・施設により異なります。
一日葬で費用が抑えられやすいのは、主に次の理由からです。
- 通夜がないぶんの式場使用が減る:二日間借りていた式場を一日で済ませられるため、使用料が抑えられることがあります。
- 通夜振る舞いが不要になる:通夜のあとの会食(通夜振る舞い)を行わないため、そのぶんの料理代がかかりません。
- 拘束時間が短くなる:ご遺族や参列者が式場に足を運ぶ時間が短くなり、負担が軽くなります。
ただし、基本費用に含まれる祭壇・棺・搬送・安置などは一日葬でも必要です。安置日数は火葬までの日数によって変わるため、「一日葬だから必ず安く済む」とは限らない点にも留意しておきましょう。
お布施は別枠で考える
費用を考えるときに気をつけたいのが、お布施は葬儀社に支払う費用には含まれないという点です。お布施は、読経や戒名をいただいた宗教者へお渡しする謝礼で、葬儀社の見積もりとは別のお金です。前掲の費用ボックスでも、お布施は破線で囲んだ別枠として表示し、葬儀社費用とは合算していません。
一日葬では通夜がないため、通夜の読経の分だけお布施が少なくなると考える方もいますが、お布施の考え方は宗派や菩提寺によって異なります。一日葬でも通常のお布施をお渡しするのが通例とする考え方もありますので、菩提寺がある場合は事前に相談しておくと安心です。お布施の目安は、お布施の相場もあわせてご確認ください。
他の形式との費用比較
一日葬がどのあたりに位置するのかは、他の形式と並べて見るとわかりやすくなります。次の図は、直葬・一日葬・家族葬・一般葬それぞれの費用の目安を並べたものです(いずれもお布施は含みません)。
形式ごとの費用の目安
全国の目安・会葬 約20名で試算(お布施は含みません)
直葬・火葬式
通夜・告別式を行わず火葬のみ。参列は近親者のみ。
20〜45万円
含まれるもの:搬送・安置・棺・火葬手続き代行
一日葬
通夜を省き、告別式と火葬を一日で行う形式。
59〜110万円
含まれるもの:上記+式場・祭壇・告別式運営
家族葬
家族・親しい方だけで通夜・告別式を行う形式。
69〜115万円
含まれるもの:上記+通夜運営
一般葬
一般の参列を受け入れ、通夜・告別式を行う形式。
114〜210万円
含まれるもの:上記+一般参列対応・受付設営
※ 概算です。お布施は形式ごとに別途かかります。詳しくは各形式の目安と あわせてご確認ください。実際の費用は葬儀社の見積もりでご確認ください。
こうして並べると、一日葬は直葬より手厚く、家族葬よりは抑えめの位置にあることがわかります。下の表は、一日葬・家族葬・直葬のおおまかな違いを項目ごとに並べたものです。金額はいずれも目安で、地域や式場によって変わります。
一日葬は「儀式はきちんと行いたいが、二日間の負担は抑えたい」という希望に合う中間的な形式といえます。直葬について詳しく知りたい方は、直葬のデメリットと注意点もあわせてご覧ください。
一日葬のメリットと留意点
一日葬には、この形式ならではの良さと、あらかじめ知っておきたい点があります。どちらが良い・悪いということではなく、ご家族の状況に合うかどうかで考えるのが大切です。
一日葬のメリット
- ご遺族・参列者の負担が軽くなる:二日間ではなく一日で済むため、高齢の方や遠方から集まる方の負担を和らげられます。
- 費用を抑えやすい:通夜がないぶん、式場使用や通夜振る舞いの費用が抑えられる傾向があります。
- お別れの時間はきちんと持てる:直葬と違い、読経や焼香などお別れの儀式を行うため、見送った実感を得やすい形式です。
一日葬の留意点
- 菩提寺の理解が必要な場合がある:宗派や菩提寺によっては通夜を重んじる考え方があり、一日葬を勧められないこともあります。事前の相談が大切です。
- 参列できない方が出ることがある:通夜がないぶん、日中に都合がつかない方は参列しにくくなることがあります。
- 必ずしも大きく安くならない:安置日数や祭壇のグレードによっては、家族葬と大きく変わらないこともあります。
これらの留意点は、葬儀社や菩提寺と事前に相談しておくことで和らげられます。とくに菩提寺がある場合は、通夜を省くことについて先に一言相談しておくと、当日を落ち着いて迎えられます。
一日葬が向いているケース
一日葬は、次のような場合に選ばれることが多い形式です。ご自身やご家族の状況に照らして考えてみてください。
- ご遺族が高齢で、二日間の負担が大きい場合:体力的な負担を抑えて見送りたいとき。
- 参列者が近親者中心で、遠方から集まる場合:二日にわたる移動や宿泊の負担を和らげたいとき。
- 儀式はきちんと行いたい場合:直葬では物足りないが、通夜まではしなくてよいと考えるとき。
- 費用と手厚さのバランスをとりたい場合:手厚さを保ちつつ、費用も抑えたいと考えるとき。
反対に、多くの方に広く参列いただきたい場合や、菩提寺が通夜を重んじる場合には、家族葬や一般葬が選ばれることもあります。形式に優劣はありませんので、故人がどのような見送りを望んでいたか、ご家族が何を大切にしたいかを軸に選んでいくとよいでしょう。
一日葬を選ぶときに考えておきたいこと
一日葬を選ぶ場合は、菩提寺がある方はまず菩提寺に相談することをおすすめします。通夜を省くことについて、宗派の考え方や地域の慣習を踏まえた案内をいただけることがあり、あとで戒名や納骨の際に困らないためにも大切です。
また、参列していただく方には、通夜がなく告別式のみである旨を早めに伝えておくと親切です。「通夜に伺おうと思っていた」という行き違いを防げます。日程や集合の時間についても、葬儀社と相談しながら、参列者が無理なく足を運べる形を整えておくとよいでしょう。
費用や形式に迷うときは、時間に余裕のあるうちに複数の葬儀社へ事前相談や見積もりを依頼しておくと、内容を比べながら落ち着いて選べます。葬儀費用を誰が負担するかで迷う場合は、葬儀費用は誰が払う?もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 一日葬とはどんな葬儀ですか? 一日葬とは、通夜を省き、告別式(葬儀式)と火葬を一日で行う葬儀形式です。宗教者による読経やお別れの時間は設けたうえで、二日間かけていた儀式を一日にまとめる点が特徴です。近親者を中心に、参列者を限って行われることが多い形式です。
Q. 一日葬の費用はどれくらいですか? 20〜30名前後の場合、葬儀社に支払う費用でおおよそ45〜90万円が一般的な目安です。通夜を行わないぶん、家族葬より式場使用や通夜振る舞いの費用が抑えられる傾向があります。お布施はこれとは別に必要です。
Q. 一日葬でもお通夜はしなくてよいのですか? 一日葬は通夜を行わない形式なので、お通夜はしません。ただし、菩提寺の考え方や地域の慣習によっては通夜を勧められることもあります。菩提寺がある場合は、事前に相談しておくと当日を落ち着いて迎えられます。
まとめ
一日葬とは、通夜を省いて告別式と火葬を一日で行う葬儀形式です。読経やお別れの時間はきちんと設けたうえで、ご遺族・参列者の負担を和らげられる点が特徴です。葬儀社への費用の目安は20〜30名前後でおおよそ45〜90万円で、お布施は別枠で考えます。菩提寺の考え方など事前に確認しておきたい点もありますが、手厚さと負担のバランスをとりたい方に選ばれています。ご自身の状況に合う目安は、無料の費用シミュレーターでも確認できます。
編集方針:この記事は、おわりじたく編集部が公的機関や葬儀業界の公開情報に基づいて作成しています。費用の目安は一般的な水準を示すもので、実際の金額は地域・式場・プラン内容・宗派によって変わります。
免責事項:本記事は情報提供を目的としたもので、特定の葬儀社やサービスを推奨するものではありません。税務・法律に関わる個別の判断は行っていません。正確な費用や制度については、複数の葬儀社の見積もり、お住まいの自治体、専門家にご確認ください。
よくある質問
一日葬とはどんな葬儀ですか?
一日葬とは、通夜を省き、告別式(葬儀式)と火葬を一日で行う葬儀形式です。宗教者による読経やお別れの時間は設けたうえで、二日間かけていた儀式を一日にまとめる点が特徴です。近親者を中心に、参列者を限って行われることが多い形式です。
一日葬の費用はどれくらいですか?
20〜30名前後の場合、葬儀社に支払う費用でおおよそ45〜90万円が一般的な目安です。通夜を行わないぶん、家族葬より式場使用や通夜振る舞いの費用が抑えられる傾向があります。お布施はこれとは別に必要です。
一日葬でもお通夜はしなくてよいのですか?
一日葬は通夜を行わない形式なので、お通夜はしません。ただし、菩提寺の考え方や地域の慣習によっては通夜を勧められることもあります。菩提寺がある場合は、事前に相談しておくと当日を落ち着いて迎えられます。